
ゲッタッマニ
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前回のポストではウダウダ言ってましたが、要は自分で金を取ればいいんですよ!
研究に関連するお金は大別して人件費と研究費に分かれます。大学職員は大学からお給料が出ますが、我々非アカポスの人間は、教授がもつ科研費etcから給料を出してもらうか、自分で出すかの二択です。僕の場合後者で何とかしないといけない。
というわけで先ずは自分の給料を確保します。
[特別研究員制度]
ドクター以降で一番メジャーなのは日本学術振興会が行なっている特別研究員制度です。
DC1 : M2で申請してD1から三年間(20万/月)もらえる
DC2 : D1~D3で申請して二年間(20万 /月)もらえる
PD : D習得後5年未満で申請して三年間(36万/月)もらえる
返済不要。採用率はだいたい20%未満。採択には実績はもとより申請書のデキ、審査員の専門分野との兼ね合いなど運も多分に絡むとか。色々言われている制度ではあるのですが、やはりバイトせずにこれだけもらえるのは有り難いのです。それと特別研究員という身分は履歴書に書けますし、採用後のアカポス習得率も高く、若手の登竜門的な扱いです。PDからは出身大学以外の機関に移る必要があります。That't way I went to Kyoto.
とりあえず学振の申請は終わりました。実は以前DCで申請を試みたのですが、あまりの書けなさに諦めたんですよ。ただ今回はマジで死活問題だったので泣きながら書きました。けど書き終わった後に現ボスと話してたら、「やっぱりプロの研究者は書類書いてナンボだよ」と言われ納得。Welcom to our club.
一次審査の結果は8~9月に判りますので結果はその辺でお伝えしますます
[民間資金の獲得]
資金の獲得先は学振だけではありません。日本国内でも民間企業、財団による助成金制度は存在しております。
ちょうど4~6月あたりは1度目の申請ピークです。学振の申請を終えたのも束の間、今度は民間助成金への応募ラッシュです。基本的に研究費での支出を許されるモノが殆どなのですが、中には人件費への使用が許可されているものもあります。助成完了後の報告義務はもちろんありますが返済不要。だいたい100万~500万/年のものが多い。1つでも取れると、我々のような弱小ラボとって大変有り難いのです。もちろん人件費に使えるならばなおよし。というわけで鋭意執筆中というわけです。
[科研費]
科研費 : 科学研究費助成事業は学振と同じく日本学術振興会の事業です。種類と金額はこちらをご参照のこと。今年僕が出す予定なのは、一番下の若手研究です。2~4年で最大500万円。ということは150万/年くらいの感覚でしょうか。。。単年あたりなら民間助成金よりも低いですが、複数年貰えること、実績として履歴書に書いた時のインパクトなどメリットも多い。募集はまだ先ですが、何とか取りたい。けどこれ人件費には使えないので、今年現bossがもう少し大きい科研費をとってそこから僕の給料を出してくれるなら、バーターで僕の科研費を全部使ってもらうとか、そういう感じでしょうね。
[ぐち]
ポスドクなどのスタッフを、人権を守る範囲で雇うならやはり350~500万/人は欲しいところ。ということは科研費抜きに民間だけで研究を続けようとすると1~3個の民間助成が毎年欲しい。なのでちゃんとしたラボなら、教授、准教授、助教授が科研費の申請だけでなく、民間助成を最低でも毎年一つは取りたい。ただなかなかそこまでやってるラボは少ないのではと思います。そもそも助成金獲得はかなりの競争です。それに加え、結局アカポス持ってる人間は給料が保証されており、極論すれば研究を続けなくても生活には困らない。非アカポスと違い、そんなに必死にならなくても良いわけです。今いるラボの場合、教授が一人で頑張って科研費をとってきています。准教授はもう何年もとってません。今年から新しい若い助教がきたのです、助成金の申請の話をすると「出してない」とのこと。うちは今秘書一人、技術員一人、そして僕と三人のスタッフが雇われています。お給料が保障されているのは科研費の続く今年まで。来年以降も働き続けるなら、新たな科研費の獲得は必須。さらに科研費の傾向として、年齢が上がるにつれて通りにくく、若いほど通りやすい。諸々考慮すると新任助教には何としてもお金をとってきてもらわないと行けないんですが先の発言ですわ。絶対お金とってこのラボを出るんだという決意が湧きました。
研究はタダではデキません。たくさんお金がかかります。当分野で有名な海外のラボのHPではポスドクに対して
You should be a competitive candidate for obtaining external sources of funding
とあります。金とってこいというわけです。そしてこれが論文以外でその研究者の実績として評価されるのです。
世の真面目な研究者は、毎年毎年少しづつ成果を積み重ね、予算を申請・獲得し、また地道な努力を続けるのです。
ノーベル賞等派手な成果に目がいきがちですが、こう言った地道な積み重ねを厭わない人間によって研究分野は成り立っているということを知っていただけると嬉しい(話の方向が....)。
というわけでお金にまつわるエトセトラでした!
see you internet freak...
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