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[雑記] 『波よ聞いてくれ』から『鼻紙写楽』まで


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大谷鬼次の奴江戸兵衛 (東洲斎写楽)
















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今年のスマッシュヒットは間違いなくコレ、『波よ聞いてくれ』です。
とにかく絵、台詞回し、キャラ立、テンポが最高に心地いいです。予想外の震脚にココロ震えました(笑)
恥ずかしながら作者の沙村広明さんのこと、全く知りませんでした。もうすぐに買い集めましたよ!
今のところ『春風のスネグラチカ』『おひっこし』『ハルシオンランチ』が既読ですが、無限の住人がまだなんですよね。
多分来週には届くと思いますが。。。(ブラッドハーレーはココロの準備ができたら読みます笑)

さてさて沙村さんですが、こんな面白い漫画家さんを知らないなんてなんてイケテないんだと思いつつ、wikiを覗く。
作品を読みながらも思ったのですが、このかたほんと独特な趣味というか世界観で書かれているんですね。
基本的にエロいしグロい。けれど絵が吸い込まれるような魅力をもってて、グロいんだけど綺麗に見えるんです。
不思議っす。。。(はやく無限の住人が読みたい)

まあそうこうしながら、ブラッドハーレーはまだちょっとキツイかなーなんて読み進めていくと"一ノ関圭"という漫画家さんの記述が。どうやら沙村さんはこの"一ノ関圭"という漫画家を大変にリスペクトしているらしい。
なかには"理想とする漫画をみた"なんて書いてある。割と尋常じゃない褒め方なんでびっくりしました。
こんな独特な漫画を描く人の"理想"ってどんなだと。そりゃあ気になりますよね。






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いったいどんな方なのかと、こちらもwikiを覗きましたが、記述は非常に少ない。しかし少ない中で特に画力が絶賛されており、ストーリーも江戸・明治を中心に、非常に良いものを書かれると。さらにamazonのレビューも、こちらも数こそ少ないものの、画力・内容が絶賛されておりました。"次世代に残したい漫画"だなんて。これはもう買うしかない!
当の一ノ関圭氏はデビューこそ1975年ですが、現在までに作品は三つしかないんですね。異常に寡作な方のようです。
というわけで既刊『らんぷの下』『茶箱広重』『鼻紙写楽』を購入したので、自分の感想文を残すことにしました。

デビュー作『らんぷの下』は『らんぷの下』『裸のお百』『女傑往来』などを含む短編集。作者が東京芸大卒もあってか、絵画、物書きを題材にしたものが多く、どれも面白い。"おおお!なるほどぉぉぉ!!!"てな感じです。芸術分野に疎くても、登場人物たちの心情描写が鋭いので、読後はがっつり重い。特に作者が女性なこともあり、女性キャラの心理描写は秀逸だと思います。
"ああ。良いものを読んだなぁ"と近年の漫画に少ない重厚な読後感を味わえました。



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次作『茶箱広重』は表題作である中編『茶箱広重』と、これまた粒ぞろいの短編で構成されています。本作と三作目『鼻紙写楽』は歴史の実話をもとに構成されています。したがって時代考察、背景描写など正確を期するために相当の取材や研究が行われたそうです。このあたり巻末のあとがきなどを参照されればよろしいかと思います。

江戸時代末期に活躍した浮世絵師・初代歌川広重の死から『茶箱広重』は始まります。
あとを継いだ"二代目広重"は偉大な師匠や周囲のプレッシャーに押しつぶされそうになりながら、なんとか筆を進めていきます。そこに初代広重の妻と娘、広重一門の画家たちを中心とした人間模様が描かれるのですが、まあこれが奥深い。
結果として"二代目広重"は一家を去って独立。文明化著しい横浜を題材に筆をとりますが、あとは本編をごらんください(笑)
前作『らんぷの下』以上のクオリティー!素晴らしい作品となっております!!




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前作『茶箱広重』からなんと24年ぶりの新刊だそうです。どんだけやねんと笑
なんでもこの間は『絵本 夢の江戸歌舞伎』という江戸中村座を舞台にした歌舞伎絵本の作成に携わっておられたとか。
制作期間なんと8年。今作『鼻紙写楽』のバックグラウンドはこの絵本の仕事にあるようです。

内容に関しては、短編無しの一巻丸ごと鼻紙写楽。思う存分楽しめるかと思います。もうこれは実際に読んでみてくださいとしか言えないっす(笑)
ただ、定評のある一ノ関圭氏の画力は、ここに来ていよいよ凄みを増しています。特にある事件後の五代目市川団十郎の息子・小海老に向けた憎悪の眼差し。また後の東洲斎写楽による中村仲蔵の死絵は圧巻です。



と、まさに今読み終わり、勢いだけで書いてみました笑
しかしこの鼻紙写楽、自分漫画史に燦然と輝く『蒼天航路』と肩を並べる作品となりました。まさか蒼天航路に並ぶ漫画が現れるとは。。。。これからもちょくちょく収集を続けます。
間違いなく、今年、いやこの三年のベスト漫画です。


いやぁ、よかった。




















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