[研究] 足の裏の米粒がとれた話 [博士号]

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こんにちは、モンブランです。

2月は公聴会やら引越しやらで忙しく、なかなか更新出来ませんでした泣
また少しづつ書いていきます!

とまあ、なんだかんだで細々とやってるこのブログも始めてから5年半が経ちました。
始めたのは2011年の7月、当時自分は4回生で卒研配属されたころで、自分で言うのもなんですが結構がむしゃらに頑張っておったと思います。普段ネタにするようなことも無いので書いてませんが、一応研究活動?は続けており、このほど学位修得までこぎつけました。節目では研究ネタで書いてたので反省の意味と、もしかしたら今後(もしくは現在進行形で)博士課程やその後のアカデミックを目指している方々の参考になるかと思い、20代をほぼ費やした学生生活を振り返ってみようと思います。

[先が知りたいと思った卒業研究]
自分は公立大学の理学部で、生命科学の学科に所属していました。3回生まではというと、もうゲームとバイトに明け暮れていまして、3回生後期でやっと卒業単位(卒研除く)といった感じでした。なので4回生からはめっちゃ頑張ろう」と思い、当時学科内で最も厳しいと言われていた研究室への配属を希望しました。(結果としてこの選択は功を奏します)
3回生まででロクに勉強していなかったのもありますが、卒研生になり「やっと大学らしいことが始まった」なんて同級生と笑っていました。それくらい研究室での生活は、これまでの学生生活とは異質なものでした。

[卒研の始まり]
当時は研究活動というものがとにかく新鮮で、もうありとあらゆる失敗を繰り返しましたが、とにかく楽しかった。朝は9時始業ですが、夜は早くても8時、遅い時には深夜の帰宅もザラでした。研究室って自分の机(勉強用と実験用)があって私物が置けますし、台所があるのでご飯が作れるし、挙句ラボによっては仮眠室もありますからいくらでも居れちゃうんですよね笑 学生寮に戻ってもどうせネットかゲームだったので、卒研の間は研究室にこもってました。

[学会に参加できた]
卒業研究自体は一時期(研究始めて3ヶ月目くらい)こそ調子よくいっていたのですが、次第に行き詰まり、卒研発表はこなせたものの修士からは別のテーマに変更になりました。ただ調子が良かったときに調子に乗ってボスに「先生、学会発表がしたいです!」と頼み込みました。結果冬の学会に出せたのですが、とっても刺激的な経験でした。普段はラボ内のミーティングで研究成果を発表して(月1と週1ある)意見をいただくのですが、基本的にラボのメンバーは”卒研の内容を知っている"人たちです。なので初めこそいろんな質問や議論ができるのですが、よっぽどサクサク進まないとマンネリになっちゃうんですよ。けれど学会では自分のテーマを初めて会った人(しかも研究キャリアは自分よりはるか上の方々)に一から説明しなきゃいけないんですね。そもそもの研究分野が違う人も結構いるわけです。そうすると今まで考えなかったような視点の質問や、自分よりももっと考察を進めたような(自分がもっと考えておかなきゃいけないんですけどね)質問が飛び出すんです笑 「あぁ、なるほど!」なんてのがこれまでもたくさんありました。学会後には「次はもっといい発表をしよう」という強いモチベーションが生まれること間違いありません!機会があるなら積極的に参加したほうがいいですよ!

[進路について]
そんなこんなで卒研の一年なんてあっという間に終盤になります。そうすると次の進路(まあだいたい夏前には決まってることが多いですが)も頭をよぎるのですが、自分は配属当初から院進学を希望していました。というか4月の一番初めの面談で"博士まで行きます"とボスに伝えていました。よくもまあそんなこと言ったなぁと今なら思いますが、研究者になるんだと漠然とではありますが決めていました。今になっても当時なんでそんなことを考えていたのかはわかりませんが、まあ勢いって大切ですよね笑

[とにかく辛かった修士課程]
ただ頑張るだけ、日々の実験をこなすだけ、目先の結果を求めているだけではダメだということを散々突きつけられた2年間でした。研究の進捗としてはドンづまり。修士1年(M1)でかろうじて出たデータで修了でした。ラボの同期は僕ともう一人残っていたんですが、その子はめっちゃデータが出てて、学会でもポスター賞や発表賞もとっていました。対して自分は。。。なんてかんじで4年からD3までで一番辛い時期でしたね。M2の夏にボスから"OOは博士課程行くの?"って聞かれたのはめっちゃショックでした。4年のころから行くっていってたんですけどね泣
さらに生活自体も相変わらず大変だったので心身ともにボロボロでした。。ほんと辛かったな笑

[心身の平静をめざした博士課程]
それでも博士後期課程へ進みました。
モチベーションとしては"このままで終わりたくない"でした。けどこの理由、ほんと危ないんで気をつけて下さい笑 4年生のころ無理をいって参加させてもらったワークショップ(ある研究分野の大学院生や若手研究員があつまる研究合宿)での夜の飲み会にて、ある大御所の先生に「研究でお金を稼ごうと思ったらどうすればいいですか?」と訪ねたことがありました。
その先生曰く(大学での)研究をお金目的だったり、自分の能力の証明に使おうとするとロクなことにならない。純粋な学問的興味がなければこの道ではやっていけないよ」
D進前の自分はどうだだったのでしょうねえ。不純な同期が8割、純粋な興味が2割って感じでしょうか?笑
一方研究の方はどん詰まりをなんとか打開すべく、新たなチャレンジを試みました。修士までの研究は平たくいうと「新しい物差し作り」でした。この"物差し"を使うことで、今まで知られていなかった細胞内の(めっちゃニッチな)イベントを初めて観察することが出来た、というのが修士論文の内容です。そこで博士課程では、この"物差し"で"手当たり次第に測りまくろう"でした笑 もうこれはやったもん勝ちみたいなところがありましたが、結果これで博士号習得に至ります。
博士課程の間はただただ規則正しく生活することを目標にしていました。朝は(できるだけ)9時から作業を始め、夜は遅くても9時には帰る。その間に作業を終わらせる。ちゃんと食べる。ちゃんと寝る。D2の冬からは筋トレも始めて体調管理に努めました。月並みですが、規則正しい生活は、いい仕事には絶対必要不可欠だと思います。深夜の作業なんてするもんじゃありません。早寝早起き、よく食べよく動きよく寝ましょう。


ちょっと長くなってきたので第二回に分けます笑